1028新しい政治状況の下で

国鉄闘争の展望を語る西部集会

 20091028日 国鉄闘争推進委員会委員長 坂田晋作


 

本文は、表記集会に向けて準備した発言原稿です。集会では原稿を読み上げたわけではありませんし、発言時間の関係から省略した箇所(本文ゴシックの箇所)、発言中に表現を変えたところもありますのでお断りしておきます。

 

◎皆さんこんばんは。最初にこの場をお借りしまして、23年という長期にわたるご支援・ご協力に心からお礼を申し上げさせていただきます。ありがとうございます。

さて、4者・4団体は、総選挙後の新たな政治状況の下で、政治解決に向けていま何を提起すべきかを検討してきました。少し時間は掛かりましたが、1014日、先ほど国労の浜中さんが触れられた行動内容(1)を確認したところです。26日、臨時国会が召集されましたが、国会の動向をも見据えながら早期の解決を視野に提起したものです。われわれは、当然のこととして全力を尽くします。いっそうのご協力をよろしくお願い致します。 

1023日、建交労は、4者・4団体の確認に基づき争議団・家族の方と共に、共産党へ要請に行きました。席上、仁比聡平議員は、2.16集会(09/2/16・開催)以降、全ての政党が人道的立場での解決で合意していることは重要だ、新政権の下でこの到達点を前進させなければと、発言されました。その際、お手元のリーフ(今こそ! 政府の決断でJR不採用問題の解決を)にもあるように当時幹事長であった鳩山さんの―24年とならないうちに解決をという言明は重みのあるものだ、たたかいいかんで政治は動くと強調されました。総選挙の前と後では、政治状況が大きく変わってきていることをここでも実感しました。

また、地元北海道から国会議員要請についての報告を受けました。室蘭地域労連と建交労室蘭支部による鳩山さんの現地事務所への要請ですが、秘書の方が自分の弟も国鉄にいたが大変困難な目にあっていたので、皆さんのご苦労はよくわかります。早速この要請を東京の事務所に伝えますと、真心のこもった応対をしていただいたとのことでした。 

◎この間、4者・4団体が協議してきた中心問題は、総選挙後の政治状況をどうみるか、それにどう対応するかということでした。協議の経過を踏まえ、行動提起にも触れながら考えていることを述べてみたいと思います。 

 

●まず、一番大事な問題は、鳩山連立政権になってから政策決定・政治決定の仕組みが大本から変わったということです。官僚主導から政治主導への転換だといわれています。 

これをJR不採用問題との関連でいえば、国土交通関係の政務三役―前原国交大臣・辻元副大臣・三日月政務官の判断・決断が政治解決への前提条件となるといってもいいでしょう。

「所属する省庁の閣僚などでない政治家から働きかけを受けた官僚に閣僚などへの報告を義務付けた」(09/9/18・日経)といわれているように、横合いからの政治の力学が働かない仕組みです。同時に「官から政への働きかけは原則としてしない」とも規定(「政・官の在り方」―鳩山内閣の指針)されているといわれています。 

 

●そうなると、いよいよ主戦場は政府(総理大臣と国務大臣で構成する合議体)と国会(衆・参国会議員で組織された立法機関)ということになります。 

政党・国会議員への要請を提起しているのは、そのためです。政治の場へ浮上させなければ解決しないからです。地元からの政党・国会議員への要請は、解決に向けての大きな力となります。

では、どのように政治の場へ浮上させていくのか、政治主導を念頭に置いたとき正攻法で行くべきだと考えています。今日(10/28)の新聞を読むと、与党三党が国会対策委員長会談をおこない、予算委員会の審議のあり方を協議し、野党に提案したという記事が載っていました。さらに、どれを最優先に審議するかも協議しています―インフルエンザ対策、国家公務員法改定、金融問題など。

JR不採用問題でも、政党間協議が重要ではないか、それが可能なことは今日の到達点をみれば明らかです。全ての政党が政治解決で一致しているということ。新旧政権与党という考え方に立てば、自公はこの問題で協議を進めてきたという経緯があること。このように政党間協議の条件はそろっています。

民主党が呼びかけるか、連立与党で呼びかけるか、政党間協議か国会対策委員長会談でやるのかはべつにして、政治の場で協議することができるのではないでしょうか。そして、全政党合意の下で前原国交大臣へ要請、鳩山総理大臣へ、という筋道がみえてくるのではないかと思います。 

 

●こうした解決局面での主役は、1047名当事者と家族だということを心に留めておく必要があります。 

人道的立場からの解決と当事者の心情を訴えること、路頭に迷わない解決はいったいのものだからです。とりわけ解決気運をもりあげるうえで、当事者の位置は決定的だといってもいいでしょう。

そのことを踏まえて、今日(10/28)からの国会議員要請は上京している北海道・九州の闘争団・争議団を軸に組んでいるのです。 

 

●もうひとつの問題は、“裁判闘争なくして政治解決なし”ということです。この関連をつかんでおくことも重要なことです。 

政府・鉄道運輸機構の言い分を一言でいえば、解決には「その理由づけとなる根拠が必要だ」ということです。それは、法的根拠(司法判断―判決か関与)・政治的根拠(解決への政治的枠組み、大臣の指示など)だというのです。東京高裁・南裁判長の所見とそれを受けての冬柴大臣の発言、結審日における金子大臣の発言―いずれも当時―は、まさにその根拠といえるものです。裁判長の所見は司法機関の関与であり、法的根拠といえるものです。政府を構成する国務大臣の発言は政治的根拠といえるものです。だから彼らは、これを否定することができないのです。

しかし、これだけでは政治は動きません。なぜなら、これらの所見・発言は裁判上の当事者である原告・被告に向けられたものだからです。現に国交省は、国は当事者ではないといってまともに対処しようとはしません。鉄道運輸機構は被告でありながら、公的機関(2)だから独自の判断はできないとして逃げを打ち、交渉の場を設定しようとはしません。

この度、最高裁・高裁・地裁宛の要請署名と政党・国会議員への要請を同時に提起しているのは、これまでの到達点に立って政府・国会の場での政治的合意と裁判所での和解―同時決着を図るためです。

この点では、平成12530日に確認された「4党合意」(3)当時と今日では、裁判闘争の到達点に大きな違いがあることをみておくことです。

*4党合意」当時―中労委命令取り消し・敗訴 (98.5.28・東京地裁)JRに法的責任なし→「4党合意」

*今日では―鉄道運輸機構の不当労働行為を認定(05年以降の鉄建公団訴訟判決、全動労訴訟判決―東京地裁・東京高裁)→裁判外での解決を促す高裁裁判長の所見・国交大臣の発言

このように裁判闘争を通じて、政治解決(裁判外での解決)への道が開かれてきたのです。裁判闘争の位置づけを明確にしておくことです。

 

●次に総選挙の結果をどうみるかについて、手短に触れておきます。民主党の圧勝・鳩山連立政権の誕生は、民意による政権交代です。そこで大事だと思うのは、政権は代わったけれども、政治を変えるのはこれからだということです。 

総選挙後、国会を巡る情勢は一変しています。あらゆる団体がいっせいに要求を政治の場で実現しようと動き出しています。郵政民営化で圧勝した小泉政権当時とは様変わりの状況です。肝炎患者支援法の制定、母子加算の復活、労働者派遣法の抜本改正、後期高齢者医療制度の廃止などを求める各団体・個人による要請行動はひっきりなしです。

交運共闘・全労連国鉄闘争本部の提起によって、11.18中央行動で国交相への請願が計画されています。いま、それに向けて「JR採用差別事件の政治解決に関する請願」署名運動が展開されていますが、幅広く世論を結集するうえでの国民的な運動です。

星陵会館における「JR不採用問題の解決に向けた11.26集会」、全国各地での集会と要請決議、これらを2.16(1047名がJR不採用になった日)へとつないで行くことは、解決への結節点として重要だと思っています。 

以上は、大衆運動・裁判闘争・政治解決という三位一体闘争の現局面での展開です。

これまで、皆様方からさまざまなご意見をいただきました。また、ご心配をおかけしてきたことと思います。しかし、今日このように4者・4団体が考え方においても、行動においても一致していると確信をもって報告できます。重ねて、ご協力をお願いし発言とします。ありがとうございました。

 

(1)―政党・国会議員への要請。連合・平和フォーラム・全労連等への要請。裁判所(最高裁・高裁・地裁)に対する署名行動。各地での集会・決議など。

(2)―独立行政法人として会計検査院のチェックを受ける。会計経理の監視・検査、正しい手続きをしているかなど

(3)1.いわゆるJR不採用問題について、人道的観点から、自由民主党、公明党、保守党、及び社会民主党は、以下の枠組みで、本問題のすみやかな解決のため努力することを確認する。2.国労が、JRに法的責任がないことを認める。(以下略)

 

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