一九八七年四月のJR発足に端を発する一〇四七人採用差別事件は、いま、解決に向け重大な局面を迎えている。七月一四日の鉄建公団訴訟控訴審で、南敏文裁判長は原告・被告に対し、裁判外での話し合い解決を提案。翌一五日、冬柴国土交通大臣(当時)は記者会見で、被告である鉄道運輸機構に対し応じるよう促した。四者・四団体は、ただちにこれを歓迎する声明を発表した。
こうした背景には裁判闘争の前進がある。〇五年九月一五日の鉄建公団訴訟判決、本年一月二三日に出された全動労東京地裁判決では、国鉄(現・鉄道運輸機構)による組合差別〜不当労働行為が断罪された。これが、早期解決への道筋をつけるうえで決定的な影響を与えた。全動労裁判においては、当時の葛西国鉄職員局次長(現・JR東海会長)の発言を繰り返し引用しながら、国鉄の中立保持義務違反を「如実に示すもの」として不当労働行為を認定した。
解決に向けて、被解雇者・四者は「雇用・年金・解決金」を柱とする「解決にあたっての具体的要求」をまとめてきた。これは、闘争団・原告団が路頭に迷わないためにも必要最低限の解決要求である。
現在、事件の解決に向け、当事者間の交渉テーブル設置が具体化されてきている。「年金・解決金」など金銭に関わっては鉄建公団訴訟控訴審・南敏文裁判長を介して、原告側四代理人と機構側代理人との間で話し合いがもたれることになっている。同時に、「雇用」については、裁判外で政府・鉄道運輸機構に政治解決を求めていく。
これまで、鉄道運輸機構は四者・四団体の申し入れに対し「仮に裁判所から和解という判断があれば真剣に検討しなければならない。司法の判断は尊重する」と述べてきている。これ以上の解決引き延ばしは許されない。鉄道運輸機構は自らの発言に責任をもち、直ちに全面解決に向け解決交渉の場につくべきである。
JR発足から二二年。国鉄「改革」最大の口実であった国鉄長期債務の処理は、結局、なんら減額できないままに国民負担としてきた。さらに、JRの利益最優先の経営によって、鉄道の安全・サービス、公共性が切り捨てられてきたことは、この間の事実が証明している。一〇四七人JR採用差別事件とともに、こうした問題を社会的に告発する中で利用者・国民世論を結集しさらにたたかいを広げていく。
闘争が長引く中、すでに四九名の仲間が亡くなるなど、被解雇者とその家族は筆舌に尽くしがたい厳しい状況におかれている。建交労は一〇四七人JR採用差別事件の全面解決にむけ、「一〇・二四中央大集会」の成功、政府・鉄道運輸機構への要請、国会での追及など、諸行動に全力を挙げ政治決断を強く迫るものである。
右、決議する
二〇〇八年九月一日
全日本建設交運一般労働組合第一〇回定期大会
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