はじめに
国鉄清算事業団は3月31日、1047名の労働者に首切りを強行した。3年前の解雇に次ぐ2度目の首切りである。全動労と国労の労働者はこの攻撃に反対してストライキを決行、JMIU、出版労連その他の単産が連帯ストでたたかった。87年の分割民営化の強行から3年、国鉄闘争は、1000人を超える解雇された労働者とともに、解雇撤回、不当労働行為の救済、JRを国民のための公共交通機関とする新たなたたかいの段階に入った。質的にも量的にも戦後最大の争議団を含めた国鉄闘争を支えてたたかえるかどうかは現に強行されている民間や大企業の人べらし「合理化」やNTTの「合理化」、政府が画策している失対制度打ち切り攻撃をはね返し、さらには多くの争議解決をはかって行くなど今後の労働組合運動の動向に重大な影響を与えるものである。全労連はたたかうナシヨナルセンターとして、このたたかいの勝利のために全力を挙げてたかう決意を明らかにする。
1、国鉄闘争の重要性
(1)首切りと国家的不当労働行為を許してはならない
1047人の労働者への解雇は、国鉄を解雇し清算事業団に移したことが不当労働行為であるとして救済命令が出されている者に、また首切りを強行したものである。これは国鉄の分割民営化の強行のために、たたかう労働者を徹底的に攻撃し尽くす意図をあらわにしたものである。これに対して全動労、国労の仲間たちは、生きる権利と人間の尊厳をかけて断固としてたたかいに立ち上がった。
JR当局の攻撃は、不当労働行為として明快に判定されている。この不当労働行為の判定は、採用差別問題だけでなく、出向、広域配転、職種変更、仕事の取り上げなど広範囲で、救済命令は現在各地労委で81件にものぼる。この歴史的ともいえる多数の地労委命令は、全動労、国労の組合員であることを理由に解雇した数々の差別の実態であったことを、また、国鉄をJRに切り替えることによって責任のがれをすることを狙った悪質な目に余る国家的不当労働行為であったことを明らかにしている。不当労働行為のデパートともいうべきJR当局の横暴を許すならば一部経営者が「JRがやっているのをやって何が悪い」と強行している不当労働行為の拡大を許すことにつながる。
今日、この首切り攻撃と不当労働行為に対し、ともにたたかうのか、黙って見過ごすのかは、労働組合の存在意義を問われる重大問題である。これを黙って見過ごすことは、攻撃するものの側につくことを意味する。首切り攻撃であれ、権利侵害であれ、その攻撃は必ず全労働者に及ぶ。労働者の連帯はこれに打ち勝つ力であり、今こそ、その連帯した労働者のたたかいが求められているのである。われわれはまだ成立して間もないナショナルセンターであるが、全労連に加盟している一人一人の組合員が労働者同士の人間味ある連帯をつくり、ともにたたかおう。
(2)戦後の総決算路線をめざす反動政治との対決
膨大な赤字を国民に肩代りさせ、国有財産を大企業に安く払い下げ、労働者の大量首切りを強行し、国営企業を分割して大資本が支配するという悪政を強行するものにとって、たたかう労働組合の存在は何よりの障害であった。この障害をとりのぞくとしてやられたのが国労、全動労への組織破壊攻撃であり、たたかう労働者の首切りを、清算事業団をつくって3年間も仕事もさせず非人間的な管理ののち、実施するというものであった。
しかもこの攻撃は、中曽根元首相の戦後政治の総決算路線のもとに、戦後のたたかう労働組合運動の背骨ともなってきた国労を弱体化させ、さらに今日の連合にみられる労使一体化路線の労働組合運動を育成し、たたかうナショナルセンターの確立を阻止する意図をもった攻撃であった。まさに国家的不当労働行為である。そして、今日もなお、その攻撃は執ように続けられている。
現在、労働者救済機関である中労委・地労委の労働者側委員は、すべて連合から選出され、たび重なる申し入れにもかかわらず全労連の椎薦を受け入れず中立組合からも選出されることは希である。他の多くの公的機関の労働者側委員の選出も同じことがやられている。この差別扱いこそ国家的規模での団結権否認、全労連否認そのものである。
今日、国鉄闘争をたたかう大争議団がつくられ、これら悪政と対次してたたかう力が創り出され、たたかいが大きく発展しようとしている。ナショナルセンターとして全労連が既にたたかいに立ち上がっている。
国鉄の分割民営化は、事故の多発やローカル線の切捨てによって国民生活に重大な障害をもたらした。公的交通機関のあり方は、今こそ問い直さなけれはならない重要問題となっている。
臨調行革路線による医療制度の破壊、教育条件の切下げ、軍国主義教育の押しつけ、地方自治の破壊攻撃に対するたたかいは、国民生活を守り、民主主義を守る全国約なたたかいとなっている。
この臨調行革路線とのたたかいで全労連が重要な役割を果たすことは国民の多くから期待されているのであり、まさにナショナルセンターとしてのたたかいと位置づけてたたかわねばならない。
2 国民とともにたたかう課題
(1)全動労、国労の全面解決要求を支持してたたかう
全労連は全動労、国労の全面解決要求を支持してたたかう。ここに掲けられている要求は、憲法に保障された権利であり、今すぐ実現可能な要求であり労働者、労働組合として当然の要求である。中曽根自民党政府は分割民営化を強行する際、「一人も路頭に迷わせない」「組合による差別はありえない」と公約したが、それがJR当局によって守られることもなく、不当労働行為と首切りが強行された。
これら一連の不当労働行為には地労委から救済命令が出されたが、JR当局はこれを受け入れず、中労委からその履行を勧告されても従わずにいる。しかも連合加盟のJR総連は全動労、国労の労働者を職場に戻すことは企業再建の妨げになるなどと反労働者的、反社会的態度を露骨にしている。JR当局をとりまく状況は、JR当局が不当労働行為を自ら過ちと認め、これをただすことなしに事態の根本的解決はない。JRの不当労働行為と解雇の強行に対して出された地労委の救済命令の共通の法理は、不当労働行為の存在を認め、JRに雇用と労働条件の継承を認めたことである。国鉄闘争の全面解決のために労働者救済機関としての中労委の責任は極めて大である。しかし、中労委は清算事業団が100%の株式をもっている国営企業に対し国の機関として命令を出すまでもなく是正させるべきであったが、今日までその責任を果たしたとはいえない。中労委は、いまこそ地労委の救済命令を生かした命令を出すべきである。
(2)JRを国民の交通機関とするたたかい
国鉄がJRとかえられて3年を経て生まれている状況は今日、国民にとって安全の面でも企業のあり方としても、ゆるがせにできない重大な問題となっている。JRとなって施設は飾りたてられ、表面のサービスが先行し黒字経営への転換が宣伝され、これがかつての国鉄かという程の変貌をしている。しかし、ひと皮むいて見ると,そこには国民の命を預かる公共交通機関としての社会的使命の喪失、危険なそして傲慢な管理と利益第一主義が横行している。
これら3年の経過は分割民営化の強行の際、これは「穴だらけ、傷だらけ、先送り」の法案で「地域の活性化を無視したローカル線の切捨てが強行される」「大企業による国有財産の不当な処分とこれが大企業の新たな儲けだけに使われる」「利用者のサービスは低下し重大事故の多発の危険が増大する」などと反対した国民世論、マスコミの指摘がそのまま現実となっている。
また、国会決議の際、さまざまな危惧から作られた衆参両院の附帯決議はことごとくくつがえされている。分割民営化を強行した中曽根元首相とその関係者、実行したJR当局、指導管理にあたった運輸省の貢任が厳しく追及されなければならない。そして今日の事態は反対意見、国会付帯決議を入れた国民のための国有財産の活用、安心して乗れる公共の交通機闘への転換、地域の活性化の柱としての再生など分割民営化の抜本的な見通しが必要となっている。
(以下略)
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